本記事の主役である「VimWiki」を紹介する前に、まずは関連記事『VI/VIM 文書編集ソフトの伝説的な歴史』をご一読いただき、VI / VIM の歩んできた歴史に触れてみることをおすすめします。

さて、今回取り上げる VimWiki とは一体どのようなツールなのでしょうか?

VimWiki はその名が示す通り、Vi / Vim を通じて Wiki に類似した操作環境を実現するプラグインです。「Wiki」という言葉は、代表例である Wikipedia などを通じて現代の私たちには馴染み深いものとなっています。

つまり、Wikipedia のようなハイパーテキストによる整理環境を自分のパソコン内に構築できれば、個人の日誌やアイデアノート、収支管理に至るまで、極めて多彩な用途に役立てることができるわけです。

「それなら Microsoft Word や OpenOffice を使えば同じことができるのでは?」と思われるかもしれません。

その疑問に対しては、率直に「その通りです(笑)」とお答えするほかありません。

ソフトウェアの使い勝手は個人の好みに尽きます。機能が充実していることと、自分が使い慣れていることとは必ずしもイコールではなく、選ぶ基準は人それぞれです。しかし、日常的にパソコンを使うのであれば、MS Word 以外に信頼できるテキストエディタを少なくとも1本は手に馴染ませておく価値があります。それが Vim であれ、Emacs であれ、あるいは他のエディタであれ、自分に合ったものを選べばよいのです。

それに実際のところ、ちょっとした文章作成に MS Word のような巨大な多機能ソフトを立ち上げる必要がない場面も多く、かといってワードパッドでは機能不足を感じることがあります。それだけでも、軽快に使えるテキストエディタを手元に用意しておく十分な理由になります。

前置きはこのくらいにして本題に入りましょう。公式サイトに詳細なドキュメントが用意されているため、ここでは目的をスムーズに達成するための実践的な手順を中心に解説します。

すでに Vim がインストールされ、基本的な操作ができる状態であることを前提として進めます。まずは公式サイトのダウンロードエリアから最新のプラグインパッケージを入手してください。

近年の Vim には簡便なプラグイン導入の仕組みが備わっています。更新パッケージをダウンロードした後、その .vba ファイルを Vim で開き、ノーマルモードで :so % と入力するだけで、自動的にインストールが完了します。

では、どのように使い始めるのでしょうか?

手順は至ってシンプルです。ノーマルモードで ww と入力すると、VimWiki の既定ディレクトリにある初期ページが開きます。

また、小説の執筆や業界動向の調査など、用途ごとに複数の独立した Wiki 環境を持ちたい場合もあるでしょう。そうした場合も、ディレクトリや拡張子の設定を行うことで簡単に切り替えて利用できます。

VimWiki は拡張子 .wiki のファイルを標準フォーマットとして扱うため、プロジェクトごとに保存先フォルダを設定すれば、体系的な目次と階層構造を持った個人用ナレッジベースを手軽に運用できます。

VimWiki の基本操作とショートカット

ここでは頻繁に使用するキー操作をいくつか紹介します。さらに詳しい高度な機能については、ノーマルモードで :h vimwiki-mappings と入力してヘルプドキュメントを参照してください。

  • ww:既定のインデックスファイル(ホームページ)を開く。
  • NewPage:本文中にキャメルケースの単語を入力するとハイライト表示され、VimWiki がそれを新しいページへのリンクと判定して同名のファイルを作成します。つまり単語自体がハイパーリンクとして機能します。
  • [[ Page Name ]]:上記と同様のリンク機能ですが、内部に | 記号を挟むことで、前半をファイル名、後半を表示テキストとして使い分けることができます。
  • ノーマルモードで上記リンクの単語をマウスでダブルクリックすると、対応するページへ移動します。もしページがまだ存在しない場合は自動で新規作成されます。同様の操作は Enter キーでも可能です(Shift + Enter で垂直分割、Ctrl + Enter で水平分割して開くこともできます)。
  • 新しいページに移動した後、Backspace キーを押すと元の親ページに戻ります。
  • ノーマルモードで :Vimwiki2HTML または :VimwikiAll2HTML と入力すると、Wiki ページを HTML ウェブページ形式に書き出せます。
  • ノーマルモードで任意の行に = を入力すると、その行が見出し(Header)として自動設定されます。
  • 文書内で Tab または Shift + Tab を押すと、ページ内の WikiWord 間を前後にジャンプできます。

公式ドキュメント:Key mappings

VimWiki のシンプル構文

  1. *Bold*
  2. _Italic_
  3. ~~Strikeout Text~~
  4. A^Super Script^
  5. A,,Sub Script,,
  6. [[Complex Wiki Word]]
  7. *、-:箇条書きリスト(Unordered List)
  8. #:番号付きリスト(Ordered List)
  9. = Header1 =、== Header2 ==、…、======= Header 7 =======
  10. {{{ Preformatted }}}
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