テキストエディタの伝説を語る上で、ぜひ紹介したいのが「Vim」です。そしてVimを語るなら、Viの存在にも触れなければなりません。VimはViの機能拡張版であり、ViとVimの機能は極めて強力でありながら、その本質は「テキスト編集」という言葉に尽きます。1976年、後にサン・マイクロシステムズの共同創業者となるビル・ジョイ(Bill Joy)によって開発された、コンピュータ史上最も歴史あるエディタの一つです。

ViとVimは私自身の年齢よりも長い歴史を持ち、数多くのプログラマーたちの手によって磨き上げられ、極めて安定したソフトウェアとなっています。さらに豊富なプラグイン群により、「最強のテキストエディタ」としての地位を確立してきました。

しかし、その強大さこそが敷居の高さの原因でもあります。低レイヤーの制御コマンドや、いわゆる「マイクロソフト流」とは一線を画す操作体系は、多くの初心者を躊躇させてきました。

それでも、グラフィカルインターフェース(GUI)やWindows環境をサポートして以降、入門のハードルは大幅に下がりました。初心者であっても、高速な起動やウィンドウ分割といったVi/Vimの強力な恩恵を容易に享受できるようになっています。

さらに、Vi/Vimは単なる文章作成にとどまらず、多彩なプログラミング言語のサポートにより、開発現場で絶大な支持を集めています。重量級の統合開発環境(あるいはMicrosoft Wordのようなもの)よりも、あえてVi/Vimを愛用する熟練の猛者も少なくありません(彼ら自身がすでに怪物級のプログラマーですが)。私のような未熟者がVi/Vim単体で一から開発を行おうとすれば、おそらく途方に暮れることになるでしょう…。

ただ、純粋に「物書き(作家)」の視点から見ると、Vimでの執筆には数多くのメリットがあります。海外のWebサイトでは「集中して執筆できる素晴らしい全画面テキストエディタ20選(20 Fantastic Full Screen Text Editor for Distraction Free Writing)」といった特集が組まれることもあり、その選定基準である「軽量・高速」「気が散らない環境」「フルスクリーン表示」という要件を、Vimは完璧に満たしています。

ちなみに同サイトで1位に選出されていたのは「Dark Room」というエディタでした。ある意味で20年以上前のCUI時代を想起させる、非常に興味深いソフトウェアです(笑)。

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