先日、ある交差点で非常に印象的かつ考えさせられる出来事を目撃しました。私たちが待つ横断歩道の歩行者信号が青に変わった瞬間、脇道から同じ方向へ進んできた一台のスクーターが、横断歩道を横切って幹線道路へ右折しようとしていました。

そのライダーは歩行者が渡り切るのを待つ気がない様子で、横断歩道上の歩行者を避けて先回りしようと、脇道の中央線寄りへ一気に急加速したのです。

ところが予想外の事態が起きました。戦場ジャーナリストが着るようなミリタリー風のタクティカルベストを着た一人の男性が、青信号に切り替わった瞬間に大股でササッと数歩進み、あっという間に横断歩道の中央に到達したのです。その結果、急旋回しようとしていたバイクの進路を真っ向から塞ぐ形になりました。

現場で見ていた筆者も思わず目を疑いました。身長175センチそこそこの男性だったのですが、足の運びが驚くほど機敏だったのです。

まさか目の前に歩行者が現れるとは思っていなかったライダーは、すでに大きく車体を寝かせてバンク状態に入っており、急ブレーキを踏めば即座に転倒する危険な状況でした。

やむを得ず、ライダーは必死の形相で力任せにハンドルをこじり、横断歩道を人とバイクが並んで一緒に渡るという奇妙な光景が出現しました。(さらにそこは丁字路だったため、バイクはそのまま壁際まで滑り込むように突っ込んで停車し、周囲の失笑を買っていました。)

このユニークな体験から皆さんに強調したいのは、「道路でスタートダッシュが最も速いのは、自転車でもバイクでもなく、人間の二本の足だ」ということです。

バイクや車のドライバーは、横断歩道付近で決して焦って飛び出してはいけません。歩行者への敬意と警戒心を常に保つ必要があります。横断歩道に歩行者の姿が見えたら、自ら進んで完全に停止し、歩行者が渡り終えてからゆっくり発進して十分な安全スペースを確保するのが鉄則です。

歩行者であれ車両の運転者であれ、常に交通安全の意識を持ち、お互いの安全を尊重し、歩行者優先の原則を徹底することが、安心できる交通環境を作り出す基礎となります。すべての人が安全に道路を渡れるよう、一人ひとりが交通マナーを守っていきましょう。

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