4月1日、愛車・迷走号で学友の楊小華を台南の実家まで送り届けた後、台南市永康インターチェンジ付近で謝宗翔(小翔)を拾い、さらに南下する旅へ出かけました。台北を出発する際、小翔には高速バスで先回りして待つよう言い渡していました。女の子との車内のプライベートな空間に野郎の邪魔者は不要だからです(ガッツポーズ)。
二人で高速道路を順調に南下し、岡山料金所へ向けて料金ゲートの列に並んで徐行していたときのこと。突然、後方から黒のBMW 7シリーズがこちらのリアバンパーめがけて追突してきました。
事故など誰も望まないものですが、驚いたことに追突された側の私たちが先に降りて確認したのに対し、相手はのっそりと不機嫌そうな顔で車から降りてきました。運転していたのは若造でした。
料金所の手前で減速していたため、幸いにも損傷はリアバンパーの凹み、バックドア下部のわずかな歪み、左リアフェンダーのズレ程度で済みました。本来なら修理費用の弁済で済む話であり、BMWを乗り回す身分なら大した金額でもないはずです。
しかし、この若者の態度は言語道断でした。車を軽く一瞥すると、ポケットから100元札の束を数枚引っ張り出し、「これで修理代にしろ」と言い放ったのです。到底足りないと告げると、相手にするのも馬鹿らしくなり、保険請求の手続きを踏むためその場で110番通報して警察を呼びました。
私が通報している最中、彼は「こっちの車だって傷ついたんだから、お互い様ってことでチャラにしないか?」などと身勝手な言い訳を並べ立ててきました。
通報の電話口で、私は心の中で「どこから湧いて出た白痴だ?」と呆れ返っていました。
私が構わず通報を続けているのを見ると、彼は慌てて車へ戻り、逃走を図ろうと急発進させました。ところが、私の車の横まで進んだところで突然ドアを開けて降りてくると、その手には特殊警棒(伸縮式バトン)が握られていました。
逃げるならさっさと逃げればいいものを、全く理解に苦しむ行動です。彼は警棒を振り回しながら「警察に通報するな!」と威嚇してきました。
私は冷ややかな視線を一瞥くれただけで完全に無視し、自動車保険の担当者に電話をかけて追突事故の状況を淡々と伝えました。
威嚇が全く通用しないと悟ったのか、若造の目には戸惑いの色が浮かび、すごすごと車内に戻ってそのまま高速道路へ逃走していきました。
普段からバイクや車に乗り慣れている小翔は、こうしたトラブル処理の機転が利く男でした。私が通報と保険会社への連絡に追われている間に、彼はすかさずカメラを取り出し、逃走するBMWの車体とナンバープレートを鮮明に激写して証拠を保全してくれていたのです。
しばらくしてレッカー車が到着しました。迷走号が自走可能であるのを確認すると、交通の妨げにならないよう路肩へ寄せるよう指示されました。誘導してくれた後、レッカー車の運転手はなんと「バック走行」で本線路肩を走り去っていくという、高速道路の珍百景を見せてくれました。
それから散々待たされた末、高速道路警察のパトカー(通称:赤シマウマ)がようやく現場に現れました。警察官から事情聴取を受けた後、パトカーの後ろをついて高速警察隊の分局へ調書を取りに行くことになりました。
ところが警察のパトカーは私を大型車専用の料金ゲートへと誘導し、普通車なのに大型車料金の50元を余分に徴収される羽目になりました。
第5公路警察大隊の分局に到着後、規定の飲酒検査を受け、調書の作成に入りました。しかし作成後、渡されたのは保険請求用の簡易証明書1枚のみ。当て逃げ車両を緊急配備する気配は微塵もなく、正式な被害届の受理票(三聯単)も発行されませんでした。これがいわゆる警察の「事件のもみ消し(不作為)」というやつでしょう。
警察隊でののろのろとした対応に時間を奪われ、分局を出たときには事故発生から2時間以上が経過した夜7時を回っていました。警察署という場所は、被害者を痛めつけるために存在するのではないかとさえ思えてきます。
後日、保険会社から「当て逃げ車両の身元が警察で確定しなければ保険金は支払えない」と言われたため、担当警察官に電話で問い合わせました。すると後日、警察から「指定の日に高速警察隊まで出頭し、BMWの運転手と直接対決(対質)を行え」という通知が届きました。
指定された日、中華民国台湾省全土を記録的な大豪雨が襲っていました。私は台北のバスターミナルから高速バスに飛び乗って高雄の岡山へ向かい、そこからタクシーを拾って警察隊の分局へ駆けつけました。公共交通機関を使うと、そこは驚くほど不便な陸の孤島でした。
閑散とした分局に足を踏み入れると、大勢の警官たちがブラシとホースを持ってのんびりと床のモップがけをしていました。担当官は私をロビーに放置したまま姿を消しました。
どれだけ待っても、BMWの運転手は現れません。最初から出頭する気など毛頭なかったのでしょう。床掃除を終えた警官たちが、なぜ私がロビーにずっと座らされているのか不審そうに通り過ぎていきます。
延々と待たされた末、ようやく現れたのは身なりの整った刑事でした。彼は悪びれもせず「相手が来ないから今日はもう帰っていいよ」と告げました。
往復の高速バス代、タクシー代、丸一日の時間、そして法律事務所に休暇を申請して引かれた給料——そのすべてが、警察の無計画な呼び出し通知1枚のために消え去ったのです。相手が出頭するかどうかの確約も取らず、強制力も行使せず、中華民国台湾省の最北端に住む被害者を最南端の僻地まで呼びつけて空振りに終わらせるとは、一体どういう神経をしているのでしょうか。
怒りを抑えつつ淡水の自宅へ戻り、熱いシャワーを浴びた後、私はパソコンの前に座って静かに2通の告発文を送信しました。
1通は高雄県知事の目安箱、もう1通は内政部警政署長の直通目安箱です。
効果は絶大でした。24時間も経たないうちに警察の監察部門(政風処)から直接連絡が入り、「本件には専任の担当者を配置して厳正に対処する」との回答がありました。
しかし「専任」として電話をかけてきたのは、他ならぬあのロビーで私を何時間も放置したあの刑事でした。刑事は電話口で「台北近郊の泰山分局で調書を取り直せば自宅から近くて便利ですから」と提案してきました。それならなぜ最初から高雄まで呼びつけたのでしょうか。
電話口の刑事は上層部から強烈な懲戒・叱責を受けたらしく、苛立ちを隠せない様子でした。「相手が警棒で脅迫したと最初から言ってくれればすぐに指名手配したのに」などと責任転嫁めいた愚痴までこぼす始末です(最初の調書にすべて詳細に記載してあったはずですが)。
私の車両保険は限定特約付きの車両損害保険だったため、保険会社は当初支払いを渋っていました。しかし私は契約約款の条文を徹底的に精査し、免責条項の法的な不備を突き止め、保険会社に全額の修理費用を支払わせることに成功していました。
保険金が満額下りた以上、監察に怯える刑事にこれ以上付き合う義理もありません。警察の杜撰な対応を待つよりも、自らの知識で法的な突破口を開くほうが遥かに確実だったという、忘れられない教訓となりました。
- 記事出典:《高雄の高速道路料金所手前でBMWに追突された事故記録》
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