最近、ネット上で「ハッカーの手口を使って学校の教務システムに侵入し、落単した成績を書き換えて留年を防ぐ」「進学や留学申請に使うGPAの数値を改ざんする」などと謳う広告をちらほら見かけるようになった。

筆者が声を大にして言いたいのは、成績が悪いことと、実際にハッカーに依頼して成績を改ざんしようとする愚行とはまったく別次元の話だ、ということだ。

筆者自身の学生時代を振り返ると、通っていた学校の校務システムでセキュリティ破りを試みなかった場所はひとつもなく、暇つぶしにマサチューセッツ工科大学(MIT)のサーバーに忍び込んで遊んでいたことすらあった(学費が高くて通えないなら、せめてネット上で見学くらいさせてもらおうという魂胆だ)。

成績を書き換えることも、気に入らない奴の履修登録を消し去ることも、技術的には指先ひとつの造作もないことだった。しかし、筆者にとってシステム侵入は単なる好奇心と知的好奇心のゲームにすぎず、たとえどの教科で赤点を取ろうとも、自分の成績を書き換えようなどと考えたことは一度もない。なぜなら、そんな行為はあまりにも愚かだからだ。

一部の人は「成績を書き換えれば、学業や進路をスムーズに乗り切れる」と安易に考えるかもしれない。だが現実に待っているのは、事態の好転ではなく、取り返しのつかない致命的な問題の山だ。

まず第一に、依頼したハッカーがあなたを裏切らないという保証はどこにもない。彼らはあなたの個人情報を握り、それをネタに恐喝・脅迫してきたり、将来のどこかのタイミングで不正行為を公表すると脅して人生を破滅に追い込んだりする危険性が極めて高い。

第二に、大学の教務システムは突破が不可能ではないとしても、情報処理センター側には様々な多層防御や監査ログが存在し、侵入対策は日々高度化している。もし成績を書き換えようとすれば、高確率で異常検知システムに捕捉され、操作の全ログが克明に記録されることになる。

さらに、学校の成績管理は一筋縄ではいかない。データ入力から承認まで多段階のプロセスを踏んでおり、デジタルデータだけでなく紙の原本や教員の控えが照合手段として保管されている。万が一それらをくぐり抜けたとしても、今度は事情を知る同級生からの密告に怯え続けなければならない。

上記のどのステップひとつ綻びが生じても、事件が明るみに出た瞬間、あなたの学業生活や将来のキャリアは完全に水泡に帰すことになる。

何より、学びの過程とは自己成長そのものだ。私たちが学校へ行く目的は知識と知恵を身につけるためであり、紙切れ一枚の成績表のためではないはずだ。もし本当に成績を上げたいなら、地道に勉強に励むことだ。教科書に向き合う時間を増やし、教授や友人に質問を重ねる。その努力を通じて得られる達成感は、ハッカーに金を払って数字をいじることの何百倍も価値がある。

怪しげな甘い広告に決して惑わされないでほしい。ハッカーに依頼して成績を改ざんするなどという選択は、たとえ目先の窮地をしのげたとしても、後々一生涯にわたる禍根を残すことになる。彼らはあなたの弱みにつけ込み、意のままに操ろうとするだろう。自分自身の力を信じ、真面目に学び、正当な実力でより良い成績と未来を勝ち取ることこそが、唯一にして確かな王道なのだ。

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