ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)の最新報道によると、米Googleは現在、160名以上のエンジニアを投入し、「Magi(マギ)」と呼ばれる極秘プロジェクトに全力を注いでいるという。業界関係者の間では、この計画こそがGoogleのまったく新しい次世代検索エンジンの基盤になると見られている。

この新たな検索エンジンは、私たちが現在親しんでいる従来のGoogle検索を根底から塗り替える可能性がある。現時点では詳細のすべてが明かされているわけではないが、断片的な情報からでも、「プロジェクトMagi」の輪郭を大まかに捉えることができる。

では、具体的にどのような変化が訪れるのか、注目すべき要点を見ていこう。

まず第一に、Googleは検索体験を「会話」そのものへと進化させようとしている。誰かに質問を投げかければ直接答えが返ってくるように、まさに現在話題沸騰中のChatGPTや新しいBingと同じような対話型インターフェースだ。あるいは、AlexaやSiriとのやり取りを、さらに賢く、学習能力を高め、ユーザーの問いかけ方に合わせて柔軟に適応させた姿を想像すると分かりやすいだろう。

これは次世代検索エンジンの論理的アーキテクチャとしても非常に理にかなっている。ユーザーが求めているのは端的な「答え」であり、SEOテクニックにハックされたゴミのようなアフィリエイトサイトではないからだ。もちろん、すべての検索クエリに対話型が適しているとは限らないが、これを「大幅に強化されたナレッジグラフ」として捉えれば、次世代の検索体験を握る決定的な鍵となるだろう(ただし、現場のライターやクリエイターにも配慮してほしいものだ。「AI生成」を免罪符にして、私たちの血と汗の結晶を無断盗用することだけは勘弁願いたい)。

さらに、このプロジェクトがもたらす最大の変革はそれだけにとどまらない。Googleが「決済や商取引」にまで深く介入し、取引の完結を直接サポートする点にある。この実体的な商取引への介入は、現在のマイクロソフトにとっての弱点でもある。

例えばスニーカーの購入から航空券の予約に至るまで、Googleは自社の検索プラットフォーム上で直接取引を処理し始める見込みだ。言い換えれば、ユーザーはわざわざ他のECサイトへ遷移して靴を購入する必要がなくなる。Googleは蓄積されたユーザーデータに基づき、好みの靴を提示し、ワンクリックで購入まで完了させてしまうのだ。

Googleはあなたの靴のサイズ、好みの色、甲高や幅広といった足の特徴、さらにはブランドごとのサイズ感の差異まで熟知している。加えて、同社にはGoogle Payという決済インフラがあるため、ショッピングに必要な全プロセスをMagiプロジェクトの中に完全にシームレスに統合できるわけだ。

ユーザーはGoogle上で商品やサービスを検索するだけで、他のサイトに飛ぶことなく直接購入や予約を済ませられる。Googleは購買履歴や好み、ニーズを分析して最適な商品やサービスを推薦し、取引の手間を極限まで減らして優れたショッピング体験を提供する。

ネット通販市場の規模を考えれば、Googleがその入り口と決済を一手に収めた場合に生まれるビジネスチャンスは計り知れない。

当然ながら、この変化は各国の法規制への挑戦となるだけでなく、ネット通販やアフィリエイトで生計を立てているすべての事業者にとって甚大な打撃となり得る。ある種の略奪的ビジネスモデルとも言え、中間業者が淘汰される事態も現実味を帯びてくる。

また、Googleの現在の収益基盤である「広告」ビジネスのあり方自体も変容を迫られるだろう。将来的には、従来のクリック課金(CPC)から成果報酬型(CPA)のようなモデルへと移行する可能性があり、マーケターにとっては効率的になる反面、検索エコシステムの構造そのものが激変する。

現在判明している情報に基づけば、MagiはAI対話型インターフェースを採用し、ショッピング体験に直結する。したがって、従来のSEO戦略やテクニックの大幅な転換は避けられない。GoogleがプロジェクトMagiの中で商品やサービスを検索・提案する際、いかに自社のサービスをAIに選ばれるよう最適化(GEO/AIO)するかが、今後のビジネスの死活問題となるだろう。

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