深夜の作業用BGM代わりに視聴しているネット配信で、VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用して越境配信を行っている中国・四川省出身の女性配信者を見かけました。本来はクラシック音楽を語り合うような穏やかな性格の彼女でしたが、最近は配信中に激しい苛立ちを隠せない場面が目立っていました。
プロフィール欄や配信中の会話で「政治の話題はお断り」と明記しているにもかかわらず、一部の台湾人男性リスナーが入れ代わり立ち代わり訪れては、「台湾の民主主義の価値」を一方的に説教し続けていたためです。
台湾では、相手の意思を無視したこうした一方的な自己主張ですら、「言論の自由」の美名の下で正当化されることがあります。
感情的発散の自由と実質的な民主主義の違い
台湾の日常的な世論において最も頻繁に耳にするのは、「台湾には言論の自由があるが、大陸には自由がない」と相手を嘲笑する短絡的な言説です。
しかし、中国本土の地方都市や現地の市場に足を運んだことのある者なら、一般市民が地元の行政指導者や物価高、社会の不公正に対して、驚くほど生々しく率直に不満を口にしている実態を知っています。
実質的な法治意識が成熟した西欧諸国の民主社会において、市民は日常的に政府を批判することはあっても、国家の枠組みそのものを根底から否定し続けることを数世代にわたる美徳と錯覚することはありません。
自己満足的な比較を超えた冷静な相互直視
民主主義体制と共産党主導の体制とでは、政治文化や歴史的背景が根本から異なります。自らが持つ特定の指標だけを盾にして相手を嘲笑し、相手が成し遂げた進歩や自国の停滞から目を背ける態度は、知的怠惰に他なりません。
台湾社会の一部が過去数十年間の固定観念に安住し、「あちらには自由がない」と嘲笑している間に、中国本土は司法制度のデジタル化、高度なインフラ整備、宇宙探査など、独自の領域で急速な発展を遂げています。
真の言論の自由と民主主義の価値とは、他者に己の正義を押し付けることではなく、自国の制度的課題を冷静に直視し、実質的な社会の向上に寄与しているかどうかを不断に問い直す姿勢にこそ宿るはずです。
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