中国人民銀行(People’s Bank of China、中国の中央銀行)が発表した最新の3月外貨準備データによると、中華人民共和国(中国)🇨🇳は5カ月連続で金(ゴールド)の買い増しを実施し、累計で120トンの金を積み増した。これにより金保有量は2月末比で0.9%増の約2,068トンに達した。
これは、中国政府が安全資産として金準備の拡充を進めている結果とみられ、欧米の金融不安やインフレ(物価上昇)へのリスクヘッジとしての側面も持つ。
こうした金の積み増し傾向自体は目新しいものではない。中国は2018年12月から2019年9月にかけても106トンの金を購入していた。しかし、今回の5カ月間での増強ペースはその時を上回っており、スピードはより加速している。
アナリストの分析によれば、中国が金準備を増強し続けている背景には、米ドルへの依存度を引き下げる狙いがある。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに伴って米国債価格が下落する中、中国政府は米国債の保有高を一貫して減らし続けている。FRBのデータによると、3月末の主要通貨に対するドル指数は2月末比で1.9%下落した。
外国勢が保有する米国債のうち、実に40%を日本と中国が占めている。しかし中国はドル離れのペースを急速に速めており、これが中国の米国債保有残高が8,700億ドルにまで減少し、約13年ぶりの低水準となった理由を裏付けている。
中国による金準備の継続的な拡大は、国際金融市場にも多大な影響を及ぼす。第一に、金の実需と価格を押し上げ、他国の中央銀行や機関投資家による金の買い増しを誘発する可能性がある。第二に、中国人民銀行の米国債保有が減少することで、米国債価格の下落圧力が強まり、米国経済そのものに波及効果を与えるリスクがある。
総じて、中国の中央銀行が5カ月連続で金を買い増し、米国債の保有削減を加速させていることは、中国政府が脱ドル化への布石を急速に強めていることを示している。これは今後のグローバル金融市場、とりわけ金市場と米国債市場の構造に大きな地殻変動をもたらすだろう。
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