シンガポール、マレーシア、インドネシアなどの東南アジア地域で流通している一部の痩身用サプリメント(ダイエット薬)について、ブルネイ保健省は成分分析の結果、「MagBlue Habbatus Sauda 100% Asli」および「Jamu Herba Kampong Ramuan Asli Turun Temurun」などの製品から、多くの国で禁止薬物に指定されている「シブトラミン(Sibutramine)」が検出されたと発表しました。
シブトラミン(化学式:C17H26ClN)は、米アボット・ラボラトリーズ社によって開発された中枢神経系に直接作用する食欲抑制剤です。その化学構造はアンフェタミン(化学式:C₆H₅CH₂CH(CH₃)NH₂)と類似しており、食欲を減退させて体重減少を促す作用があるため、かつては痩身薬として広く販売されていました。
しかし、シブトラミンには重篤な副作用が存在します。長期にわたり摂取し続けると、心筋梗塞や脳卒中などの心血管系疾患リスクの上昇、血圧上昇、皮膚の異常感覚、不眠症、さらには深刻な腎障害を引き起こす恐れがあります。そのため、アメリカ、中国、イギリス、日本、EU諸国を含む世界各国で、すでに同成分を含む製品の販売停止や使用禁止措置が取られています。
ブルネイ保健省は、上記2製品の輸入および販売を一切許可しておらず、市場での流通は違法であると明言しました。すでに当該製品を所持している消費者に対しては、直ちに使用を中止し、万一体調に異常を感じた場合は速やかに医師の診察を受けるよう警告しています。
近年、国境を越えた人の往来や海外通販の普及に伴い、東南アジア諸国の健康食品やサプリメントを手にする機会が増えています。しかし、「飲むだけで劇的に痩せる」「短期間で効果が出る」と謳うサプリメントの背後には、こうした危険な未承認医薬品成分や禁止薬物が混入しているリスクが潜んでいます。消費者は甘い宣伝文句に惑わされず、安全性が確認されていない製品の購入や服用を控えることが求められます。
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