先日、大人の不注意な薬の保管が原因で、3歳の幼児が自宅で祖母の睡眠薬を誤って複数錠飲み込んで昏睡状態に陥り、救急搬送されて一命を取り留めたというニュースが報じられました。

これは決して特殊な例外ではありません。多くの家庭において、処方薬や市販薬の正しい保存方法や使用期限について十分な知識を持たないまま放置されているのが実情です。こうした事態を防ぐため、台湾衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)は、薬の品質を保ち誤飲を防ぐ「正しい保管の3原則」と、環境汚染を防ぐ「廃棄薬物処理の6ステップ」を公式に発表しています。

医薬品を正しく保管する3つの原則

「薬はとりあえず冷蔵庫に入れておけば安心」「何年経っても飲める」と思い込んでいる人が少なくありませんが、これらはどちらも大きな誤解です。正しい保管方法は以下の通りです。

  1. 基本は室温保存・直射日光と高温多湿を避ける
    一般的な内服薬や外用薬は、直射日光が当たらず湿気の少ない室温で保管します。浴室やキッチン周辺など湿気や温度変化の激しい場所は厳禁です。薬袋や容器に「要冷蔵」と明記されているもの(造血剤注射液、糖尿病治療用インスリン製剤、一部の目薬や坐薬など)に限り、冷蔵庫で保管してください。

  2. 子どもの手が絶対に届かない場所に保管する
    カラフルな錠剤やシロップ薬をお菓子やジュースと誤認して誤飲する事故が後を絶ちません。子どもの目に入らず、手が届かない高い棚や鍵付きの救急箱に保管してください。

  3. 原包装のまま保存し、小分けにしない
    薬は湿気を防ぐために工夫された元のPTPシートや密閉容器に入っています。別の容器に移し替えると湿気や光で劣化しやすくなり、薬効の低下や変質を招きます。また、用法・用量や使用期限が記載された薬袋や添付文書(説明書)は必ず一緒に保管し、不明な点があれば自己判断せず医師や薬剤師に相談することが重要です。

不要・期限切れ薬を安全に捨てる「廃棄処理の6ステップ」

病院を受診した後は医師の指示通りに服用し、残った薬は他人に譲ったり、次に体調を崩したときに勝手に飲んだりしてはいけません。定期的に家庭内の常備薬や残薬を点検し、不要になった薬は以下の6つのステップに従って安全に処分してください。

  1. 残ったシロップや液剤をジッパー付き保存袋(または二重にしたビニール袋)に注ぐ。
  2. 空になった薬瓶を少量の水ですすぎ、そのすすぎ水も保存袋に注ぎ入れる。
  3. 不要な錠剤やカプセルをシート(PTP包装)から取り出し、保存袋の中にまとめる。
  4. 袋の中に、抽出後の茶殻、コーヒーのかす、使用済みペーパータオルなどを投入し、薬液や錠剤をしっかり吸着・混練させる。
  5. ジッパー袋をしっかり密閉し、一般ゴミ(可燃ゴミ)として処分する。
  6. 綺麗にすすいだ薬瓶や紙の薬袋は、自治体の資源ゴミ分別ルールに従ってリサイクルに出す。

注意点:
液剤や錠剤を絶対にシンクの排水口やトイレに流してはいけません。下水処理施設で分解されず、河川や土壌、生態系に深刻な薬剤汚染を引き起こす原因となります。また、抗がん剤(抗腫瘍薬)や免疫抑制剤などの特殊な薬品は、家庭ゴミとしては処分できません。必ず処方を受けた医療機関や薬局に持ち込み、「医療廃棄物」として回収を依頼してください。

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