2025年に開催される「大阪・関西万博(The Osaka Kansai World Expo 2025)」は、最新テクノロジーの展示にとどまらず、日本の決済インフラを進化させる巨大な実証実験の場として大きな注目を集めています。
運営主体である日本国際博覧会協会は、万博会場内のすべての売店やレストランにおいて「完全キャッシュレス決済」を導入すると発表しました。この方針の柱として、独自のスマートフォン向けアプリ「EXPO 2025 デジタルウォレット」が提供され、ポイントプログラムを活用して来場を促進する仕組みが整備されます。
この公式決済アプリは、銀行口座やクレジットカードから電子マネーをチャージして決済できるほか、利用額に応じたポイント還元を受けられます。
大手金融機関が開発・運用を担い、開幕前から提携店舗で先行利用できる見込みです。日常の買い物で貯めたポイントは万博の入場チケットや限定記念グッズと交換できるなど、来場意欲を高める魅力的な特典が用意されています。
約60種類の決済手段に対応するマルチ決済環境
公式アプリのほかにも、会場内ではクレジットカード、交通系ICカード(ICOCA、Suicaなど)、各種QRコード決済など、約60種類に及ぶ多様なキャッシュレス手段が網羅される予定です。
さらに、インバウンド(訪日外国人客)のスムーズな消費を促進するため、中国、韓国、インドなどの主要決済事業者とも連携を進めており、海外からの旅行客が自国の普段使っている決済手段をそのまま利用できるよう設計されています。
現金ゼロのメリットと誰一人取り残さない配慮
会場内の全店舗やフードトラックが完全キャッシュレス化されることで、釣銭準備や現金管理に伴うコスト・防犯リスクを大幅に削減できる一方、現場スタッフの教育やシステムトラブル対策が重要な課題となります。
協会では、出店事業者やスタッフ向けに事前の研修会やマニュアル整備を進めています。
また、デジタル機器に不慣れなシニア層や子ども連れ、現金しか持たない来場者への配慮として、会場内にサポートカウンターを設置するほか、現金でチャージできる専用プリペイドカードの発行・販売も検討されています。
大規模イベントの新たなスタンダードへ
会期中の半年間で1日あたり約15万〜16万人の来場が見込まれる大阪・関西万博。完全キャッシュレス化の実現は、レジ待ち時間の短縮や省人化に寄与するだけでなく、購買データの高度な分析を通じて今後の都市計画や大型イベント運営に貴重な知見をもたらします。
2025年に万博訪問を予定している旅行者は、事前に決済アプリや対応カードを準備しておくことで、より快適に未来社会の実験場を体験できるはずです。日本のキャッシュレス社会を力強く前進させる万博の挑戦に期待が高まります。
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