JRグループ各社は、訪日外国人観光客向けに販売している特別企画乗車券「ジャパン・レール・パス(Japan Rail Pass、通称:JR Pass)」について、2023年10月頃より販売価格の大幅な改定を実施すると発表しました。値上げ幅は最大で約7割(70%)に達し、訪日リピーターや長期旅行者にとって極めて大きな影響を与える改定となります。

もし日本への旅行を計画中で、全国の新幹線や在来線特急を活用して広域周遊を考えている旅行者にとって、このニュースは旅程設計を見直す契機となるはずです。これまでJR Passは、短期滞在の外国人旅行者が手頃な固定料金で日本全国を縦断できる「最強の乗り放題パス」として圧倒的な支持を集めてきました。

今回の価格改定では、普通車用・グリーン車用ともに大幅な引き上げが行われます。これに対しJRグループは、単なる運賃・料金の値上げにとどまらず、利便性の向上とサービスの拡充を同時に進めると説明しています。

最大の変更点として、従来はJR Pass利用対象外とされていた東海道・山陽新幹線の最速達種別「のぞみ」および山陽・九州新幹線「みずほ」について、専用の特別追加料金券を別途購入することで乗車可能になる仕組みが導入されます。

また、専用ウェブサイトによる指定席予約機能の拡充、観光施設での優待割引サービスの付与、自動改札機のスムーズな利用など、ハード・ソフト両面でのサービス向上が図られる予定です。

JR側によれば、1981年にジャパン・レール・パスの販売を開始して以来、新幹線ネットワークの延伸や利便性の向上を重ねてきたものの、消費税率の変更等を除けば40年以上にわたり基本的な価格設定を維持してきました。今回公表された改定後の大人普通料金(予定)は以下の通りです。

  • 7日間(普通車):現行 29,650円(国内購入 33,610円)→ 10月以降 50,000円
  • 14日間(普通車):現行 47,250円(国内購入 52,960円)→ 10月以降 80,000円
  • 21日間(普通車):現行 60,450円(国内購入 66,200円)→ 10月以降 100,000円
  • 7日間(グリーン車):現行 39,600円(国内購入 44,810円)→ 10月以降 70,000円
  • 14日間(グリーン車):現行 64,120円(国内購入 72,310円)→ 10月以降 110,000円
  • 21日間(グリーン車):現行 83,390円(国内購入 91,670円)→ 10月以降 140,000円

すでに秋の紅葉シーズンや冬の日本旅行を確定させている旅行者の場合、引換証(Exchange Order)の有効期間(発行から3か月以内)を逆算し、値上げ前に購入を済ませておくことで現行の割安な価格で利用できる余地があります。

値上げ後は「元を取る」ためのハードルが格段に高くなりますが、東京・大阪・広島・北海道などを短期間で駆け巡る長距離移動メインの旅程であれば、依然として選択肢の一つとなるでしょう。自身の移動距離と区間運賃を冷静に比較し、最適な周遊パスや区間切符を選択することがこれまで以上に重要となります。

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