数年前の夏、友人の謝宗翔と中華民国台湾省を一周するロードトリップを計画した際、猛暑の中でもいつでもキンキンに冷えた飲み物を楽しみたいと考え、愛車「迷走号」のトランクに18リットルの半導体ペルチェ素子式車載ポータブル冷温庫を設置しました。

しかし、シガーソケットの12V電源で駆動するこのポータブル冷蔵庫を実際に使ってみると、実用性はお世辞にも高いとは言えませんでした。車載用電子冷温庫の基本構造は、密閉ボックス内に半導体の「ペルチェ素子」を組み込み、その熱移動効果によって庫内を一定温度に保つ仕組みです。

ところが、ペルチェ素子が外気温からどれだけ温度を下げられるかは周囲の環境温度に大きく左右されます。つまり外気温が高ければ高いほど、冷却能力は著しく低下してしまうのです。そして小型冷蔵庫が最も活躍してほしい季節は夏本番。外気温が当然高いため、庫内のビールは爽快な喉越しを感じられる冷たさには到底達しませんでした。

そんなわけで、使い勝手の悪かった給電式ポータブル冷蔵庫は早々に私のお蔵入りリストに放り込まれました。

試行錯誤の末、辿り着いた結論は「電源不要で強固な断熱性能を持つ昔ながらのクーラーボックス(保冷箱)こそが最も頼りになる」ということでした。非給電のハードクーラーを選ぶ上で最も注視すべきは、徹底した保冷・断熱密閉性能です。

自宅の冷凍庫でペットボトルの水をカチコチに凍らせておくか、製氷工場で大きな板氷を一塊買ってきて、クーラーボックスに放り込んで保冷剤代わりに使うだけ。氷が溶ければそのまま冷たい飲料水として飲めるのも無駄がありません。長旅になっても、道中のコンビニでロックアイスを買い足せば冷たさを簡単に維持できます。

市販のクーラーボックスは多種多様で、ハイテクに見えるものや奇抜なデザインのものもありますが、値段も相応に高額でなかなか手が出ません。

そんな中、ネットで見つけたのがアメリカの老舗クーラーメーカー「IGLOO(イグルー)」でした。高い断熱・保冷技術に定評があるブランドです。折しもコストコ(Costco)でセールが行われており、約800元(海外通販では39.99ユーロ程度)でベーシックな「Marine 36L」を購入。以後のドライブ旅では常に冷たいジュースやビールが満載され、私と謝宗翔は互いに運転を押し付け合ってはビールを煽る始末でした(笑)。なお、より大容量で長時間の保冷力を求めるなら、コストコには2,000〜3,000元クラスの上位モデルも並んでいます。

IGLOO Marine 36L クーラーボックス スペック

  • 容量:36 US Qts. / 34.2 リットル
  • 外寸:24” x 14” x 13”(約610mm x 356mm x 330mm)

IGLOO Marine 36L 保冷性能実験ログ

メーカーが謳う「5日間保鮮」という触れ込みの真偽を確かめるべく、マントス実験室(Mountos Lab)にて簡単な定点観測テストを実施しました:

  • 06/15 15:36(室温31℃):IGLOO庫内は無負荷。炭酸飲料用ペットボトルで凍らせた氷を5本投入。
  • 06/15 20:32(室温31℃):ボトル1本をサンプリング。90mlの水が融解。
  • 06/16 10:35(室温30℃):同ボトルを確認。370mlの水が融解。
  • 06/16 00:00〜06:00:就寝時間帯。エアコンにより室温を27〜28℃で制御。
  • 06/16 14:26(室温30.5℃):同ボトルを確認。ほぼ完全に融解し、残りは冷水60mlとごく少量の氷片のみ。

この実測結果を見る限り、このエントリーモデルに「5日間の氷保持能力」は期待できません(後からスペック表を確認したところ、このマリン標準モデルはもともと5日間モデルではありませんでした)。しかし、大量の凍結ボトルや板氷を敷き詰めておけば、1泊2日のキャンプやBBQ、釣りや登山には十分すぎる保冷性能を発揮してくれます。

Igloo クーラーボックス

Igloo クーラーボックス シリーズ製品

給電パーツを持たないシンプルなハードクーラーは、丸洗いできるため手入れも極めて容易です。以前、基隆の崁仔頂魚市場へ新鮮な魚介を仕入れに行った際もこのクーラーをトランクに積み、現地でクラッシュアイスを敷き詰めたおかげで、愛車に生臭い匂いを移す心配も皆無でした。

アウトドアでの教訓を一つ付け加えるなら、電動冷温庫であれ強固なIGLOOハードクーラーであれ、頑丈な外殻を持つ製品は車載時の耐衝撃性には優れるものの、携行性には難があります。車から渓流沿いのバーベキュー場やキャンプサイトまで1人で手提げして運ぶとなると、それだけで体力を使い果たしてしまいます。

そうしたシーンでは、ソフトタイプの保冷トートバッグを併用するのが賢い選択です。肩掛けで身軽に移動できるため、機動力を損なわずに冷たいドリンクを持ち運ぶことができます。もっとも、荷物の重みで肩は凝りますが(笑)。

✦ 独立した報道 · 読者サポート ✦

独自の視点と客観的な報道を、あなたの温かい支援で

表面的なトレンドやアルゴリズムに流されず、事実と深い洞察に基づいた独立した記事をお届けし続けるために。

質の高いオリジナル記事と独立した運営を続けるため、1回のみ、または毎月のご支援をGoogleの安全な決済でお願いいたします。

お支払いはGoogleにより安全に処理されます · いつでも管理・解約できます

タグビール自動車コストコクーラーボックスキャンプ保冷