世界最大の電子商取引(EC)プラットフォームであるアマゾン(Amazon)は、英国内の顧客に対し、2022年1月中旬より英国で発行されたVisaクレジットカードによる決済の受付を停止すると正式に通告しました。
アマゾンの広報担当者は、「技術の進歩に伴い決済コストは低下するべきであるにもかかわらず、Visaは高額な手数料を課し続けており、引き上げすら行っている」と痛烈に批判しました。
背景にあるブレグジットと手数料上限の撤廃
この対立の直接的な引き金となったのは、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)です:
- EU域内では、法律によって加盟店決済手数料の上限が**デビットカード0.2%、クレジットカード0.3%**に厳格に規制されていました。
- しかしブレグジット後、英国とEU加盟国間の越境取引がこの上限規制から除外されたことを受け、VisaやMastercardは越境カード手数料を一気に1.5%へと5倍に引き上げました。
アマゾンによる対抗戦略と決済覇権の行方
アマゾンはこの一方的な手数料引き上げに対し、英国市場での取り扱い停止という最強のカードを切って対抗しました:
- 独占的決済網への世論・規制当局の喚起:旧来の国際カードブランドが享受してきた不透明で高額な手数料構造を白日の下に晒す。
- 代替決済手段への顧客誘導:Mastercardやデビットカード、自社のギフト券・アカウント決済への切り替えを促し、利用者離れを防ぎつつVisaを牽制。
- オープンバンキング導入への布石:銀行口座直結型の即時決済など、カード決済網を中抜きできる次世代決済インフラの普及を加速させる。
この攻防は、長年盤石を誇ってきた国際ブランドの独占体制に対し、巨大テック企業が直接的な対抗力を示し始めた歴史的な転換点と言えます。
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